年収の壁と最低賃金の引き上げ

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年収の壁と最低賃金の引き上げ

コラム

2025/03/21 年収の壁と最低賃金の引き上げ

103万円の壁見直し賛成多数

2024年11月に帝国データバンクが行った企業アンケート(有効回答数1691社)において回答企業の約9割が「103万円の壁」の見直しに賛成していると報じられました。

103万円の壁」とは、年収が103万円を超えると所得税が発生することを指すものです。

この壁を意識して働き控えするパートタイムが多く人手不足の一因ともなっています。

 

令和7年度税制改正大綱にて、基礎控除・給与所得控除の引き上げにより、「103万円の壁」は「123万円の壁」に変わることとなりますが、これで問題が全て解消するわけではありません。

 

 

最低賃金の上昇により壁はハードに

昨今の最低賃金の引き上げは2024年の場合で全国加重平均が1,055円と毎年50円ほど上昇しています。

 

大前提として企業は最低賃金以上の賃金を支払うことになります。最低賃金対応で時給単価を引き上げたとしても、労働時間を減らすことで月単位や年収単位での賃金を引き上げることは可能です。

このようなことは人件費抑制のために行われるというより、いわゆる年収の壁の範囲内で働きたいという理由が働く側にあることが多いのではないかと思われます。

働く側からすると最低賃金の引き上げによる収入増加よりも、年収の壁を超えることで負担が大きく結果として収入増加にならないからです。

 

 

労働時間管理での対応にはいつか無理が

時給が上がった分、労働時間を短くすることで年収の壁に対応することは今後年々難しくなるでしょう。

 

2024年のように前年比5%も最低賃金が上がるということが継続すると、毎年おおむね週1時間は減らさなければなりません。

労働時間が短すぎると業務量をこなせないので、人手不足に拍車がかかります。

 

時給の対象者だけでなく月給の人にも最低賃金は反映させるので見直しも必要になるでしょう。

社会保険加入の問題もあります。週20時間働けば事業所の人数規模に関係なく社保加入が実施される案が出ています。

本人の給付のメリットはありますが、こちらの年収の壁の方が負担は大きいものです。

 

石破内閣は最低賃金時給1,500円を2029年に前倒しして引き上げたいと発表しています。最新動向を見極める必要があります。

 

 

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