のれんの償却をめぐる議論の背景

税理士法人シグマパートナーズ

03-3525-4378

〒101-0046 東京都 千代田区 神田多町2-2-22 ハヤカワ多町ビル8F

ブログ

のれんの償却をめぐる議論の背景

コラム

2025/07/30 のれんの償却をめぐる議論の背景

スタートアップ企業の費用負担が課題

スタートアップ企業がMA(合併・買収)によって自社の成長に必要な会社を取得する場合、取得価額が相手の純資産価額を上回る部分に会計上、のれんを計上します。

 

のれんは資産に計上し、20年以内の期間を定めて毎期、定額法等による規則的な償却が求められます。しかし、償却費の負担は販売費・一般管理費となってスタートアップ企業の営業利益を圧迫するので、のれんに償却を要しない外国の企業に比べ、収益力や財務体質が見劣りされてしまうことが問題とされていました。

 

一方で政府はスタートアップ企業を2027年までに10兆円規模にし、将来、ユニコーン(時価総額1,000億円超の未上場企業)を100社創出すること等を目標に掲げています。令和7年5月、政府の規制改革推進会議は、のれんの会計処理の見直しを検討するよう内閣総理大臣に答申しました。

 

 

国際会計基準は減損リスクに向き合う

国際会計基準IFRSは、取得したのれんに償却を求めません。

スタートアップ企業は海外企業と同じ条件で競争できますが、その代わりに、のれんの価値を適正に評価し、毎事業年度、減損が生じていないかテストして、減価の発生が判明した場合は、のれんの簿価を切り下げる減損処理が求められます。

経済環境が急激に悪化したときは、大きな減損損失を計上するリスクを負担することになります。

 

 

日本の会計基準は規則的償却

これに対し、日本の会計基準は伝統的に減価償却を重んじてきました。

MAで取得した会社の投資効果は時間の経過とともに減少し、のれんの価値は徐々になくなり、代わってMAによって新たに生み出された価値(自己創設のれん)に置き換わるものと考えられています。

 

のれんを償却する場合は、自己創設のれんの計上を回避できること、のれんの効果が及ぶ期間や減価のパターンを合理的に測定する困難さがなくなること、規則的償却により、MAの投資コストを毎期の損益に期間配分して収益と対応させることなどが重視され、日本ではこれまでのれんについて国際会計基準の適用を見送ってきました。

 

 

独立性を保持したうえで基準を見直せるか

規制改革推進会議の答申を受けて、企業会計基準委員会(ASBJ)は、企業会計ルールの主体者として独立性を保持しつつ、国際会計基準との調整力が問われています。

 

 

名称 税理士法人シグマパートナーズ (税理士法人番号:第3423号)
代表社員 堀内 太郎
—————————————————————————————————————-
所在地 東京事務所
〒101-0046
東京都千代田区神田多町2丁目2-22 千代田ビル8F
TEL:03-3525-4378
FAX:03-3525-4379
—————————————————————————————————————-
阿佐ヶ谷事務所
〒166-0001
東京都杉並区阿佐谷北4丁目20-7
TEL:03-3336-5111
FAX:03-3336-5112
—————————————————————————————————————-
山梨事務所
〒400-0867
山梨県甲府市青沼2丁目23-13
TEL:055-237-4504
FAX:055-237-0562
—————————————————————————————————————-

当サイトの情報は、一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されております。
弊法人は、利用者が当サイトを利用したことにより被ったいかなる損害についても、
一切の責任を負いません。
具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家にご相談ください。

TOP