日露租税条約の主要条項の効力が停止されていることの影響

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日露租税条約の主要条項の効力が停止されていることの影響

コラム

2026/05/15 日露租税条約の主要条項の効力が停止されていることの影響

租税条約とは

租税条約とは、国際的な二重課税の回避と脱税・租税回避の防止を目的として、国と国との間で締結される税金の取り決めです。海外での所得に対する課税の軽減・免除や国家間での情報交換を定めており、国内法に優先して適用されます。

 

配当・利子・使用料に係る源泉地国での税率を軽減したり免除したりすることで、相手先国への投資を促進させる役割を担っています。また、183日ルールに代表される短期滞在者の給与免税や、留学生等の所得税等の免除で国際交流を図っています。

 

 

ロシア経済制裁の対抗措置で露が効力停止

2023年88日付のロシア大統領令第585号により、利子・配当・使用料(ロイヤルティ)に対する課税軽減など、条約のほとんどの規定が停止されました。

 

これにより、配当や利子、ロイヤルティの日本側への支払いについて、ロシア国内法に定められた税率が適用され、税負担が増加しています。影響を受ける分野は、投資、サービス、配当、ロイヤルティの支払いなどであり、日露間の経済活動全般にわたる税制上の優遇措置が撤回されています。

 

 

日露租税条約の効力停止で影響される事項

ロシア側は、一方的に租税条約を停止し、ロシア国内法を適用するだけですが、困ったのは日本側の納税者です。一方の国から租税条約を停止されると、通常は、他方の国も対抗措置として停止の手続きを取ります。しかしながら、今回、日本政府は、日露租税条約の適用を停止していません。これは外交上の配慮(=外務省の都合)によるものと思われます。それに従い、租税条約の適用を扱う財務省および国税の税務当局は、同条約が効力を持ったままであるという運用を続けています。

 

ロシアから日本への利子・配当・使用料の支払いの際には、ロシア国内法で源泉所得税などの課税が行われます。本来日露租税条約で軽減・減免されると規定されている部分は、日本側では課税されていないものとして二重課税の調整の外国税額控除がされることなく、二重課税状態となり、租税条約本来の目的である救済がされません。

 

ロシア経済制裁でロシアからの送金が日本では受けられない状態になっていることもあり、この経済制裁により課税負担が日本の納税者に重くのしかかっています。

 

 

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