中小企業白書を読み解く 持続可能な給与戦略

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中小企業白書を読み解く 持続可能な給与戦略

コラム

2025/09/18 中小企業白書を読み解く 持続可能な給与戦略

全国的な賃上げ機運の拡大

近年、日本全体で賃上げ機運が高まりを見せています。

2024年度には連合による春闘で平均5.1%という過去30年で最大の賃上げ率が示され、厚生労働省の調査でも中小企業の賃上げ実施割合が前年を上回りました。

政府も物価高対策や人材確保を背景に最低賃金の引上げを強く後押ししており、2023年度には全国加重平均1,004円と初の1,000円超えを記録しました。これにより中小企業も否応なしに賃上げ対応を迫られる状況に置かれています。

 

 

中小企業における影響と傾向

中小企業の賃上げ状況を詳しく見ると、一定の賃上げ実施率があるものの、その水準や継続性には業種・地域によって格差が見られます。

特に小規模事業者では、利益率の低さや価格転嫁の困難さから、賃上げが経営圧迫要因となっている実態も明らかです。また、業績と関係なく人材流出防止や物価上昇への対応として「やむを得ず賃上げ」を行う企業も増加傾向にあり、持続可能な賃金制度の設計が急務です。

 

 

人件費上昇と労働分配率

賃上げが進む中で、中小企業の労働分配率にも注目が集まっています。

売上の伸びに対して人件費の比率が高まれば、企業体力を削ぐ要因になりかねません。一方で、優秀な人材の確保・定着を図るためには、単なる初任給アップではなく、処遇全体の見直しが必要です。具体的には、職務評価制度やスキルに応じた給与体系を導入し、従業員の納得感と企業の支払い能力を両立させる工夫が求められます。

 

 

生産性向上と制度活用が鍵

賃上げを持続可能なものとするためには、生産性の向上が不可欠です。

たとえば業務改善助成金を活用し、作業時間の短縮や労働環境の改善を進めることで、自然な形での賃上げが可能となります。また、給与制度の見直しと併せて、業績連動型手当の導入や非金銭的インセンティブの提供も有効です。経営者は目先の賃上げ圧力に振り回されるのではなく、中長期の人材戦略として賃金設計に取り組むことが重要です。

 

 

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