完全子法人株式配当の源泉税

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完全子法人株式配当の源泉税

コラム

2022/07/05 完全子法人株式配当の源泉税

会計検査院は税制改正を促す為に検査

会計検査院の指摘があったので、税制改正をしました、という事例が増えています。

 

会計検査院は、平成29年度から令和元年度に完全子法人株式等又は関連法人株式等を保有している1667社を検査対象法人とし、そのうち、完全子法人株式等又は関連法人株式等に係る受取配当等に対する源泉所得税相当額について所得税額控除を適用したことにより還付金が生じた法人が1262社あり、それらに支払われた還付金が約88986092万円となっており、うち還付加算金が生じていた法人は延べ888法人で、その額は36563万円、さらに、うち423社は、源泉徴収した全額が課税対象外の配当金に係るものだった、と記していました。

 

 

制度の趣旨に沿ってない逸脱規定

また、完全子法人株式等に係る配当に源泉徴収をしていたことから、企業側に一時的な資金負担をさせた上で、税務署側に於いて源泉所得税の徴収の事務、還付の事務が生じ、その上、還付加算金の事務と実の国庫負担が生じており、これらは、税の効率的かつ確実な徴収の制度趣旨に沿ったものとは言えず、むしろ逸脱ではないかとのニュアンスの指摘をしました。

 

 

国税は素直に対処するが問題アリと

会計検査院の指摘は、令和2年1110日に内閣に送付された「令和元年度決算検査報告」においてなされており、財務省は、令和4年度の税制改正でこれに応じ、完全子法人株式等と3分の1超所有の株式等とに係る配当について所得税課税対象外とし、その支払いをする法人の源泉徴収事務も不要としました。

 

ただし、令和4年度の改正だけでは、税収減少になるので次の税制改正で対応策を打出す、としています。

 

 

税収減対策にどう対処するのか

確かに、この件の令和4年度の改正は、所得税法での改正のみで、法人税法での改正はなされていません。特に、M&Aで、新たに子会社になった場合などでは、源泉所得税額控除の月割計算により不完全還付になる場合がありますので、その分は確かに税収減に繋がります。

 

財務省には、税収減対策の秘策がありそうです。それは従来制度の原理的変更を伴う大がかりなものなのかもしれません。

 

 

 

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