事業に至らない規模の未収家賃の貸倒れ

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事業に至らない規模の未収家賃の貸倒れ

コラム

2023/07/08 事業に至らない規模の未収家賃の貸倒れ

個人事業者のアパート賃貸で事業的規模にないものの家賃が回収不能となり、未収家賃を貸倒れとする場合、貸倒要件に該当するほか、特殊な経理処理が必要です。

 

 

回収不能の状態を明らかにする

未収家賃が回収不能であるかは、賃借人の資産状況や支払能力を見て判断する必要があります。ただ未収が続いているだけでは回収不能とは言えません。

 

賃借人に支払いを催告し、それでも未収が続く場合は、賃貸借契約を解約して部屋の明渡しを求め、敷金と未収賃料および原状回復費用の借主負担分とを相殺する、保証人にも請求するなど回収措置を尽くしたうえでの判断が必要になるでしょう。

 

 

貸倒処理の時期にも注意!

賃借人が破産、死亡や行方不明などの場合は、回収不能となる時期は明らかとなりますが、これらの事実が生じていない場合は、賃借人の資産状況等を見て回収不能と判断する時期を見極めることが必要となります。

 

回収可能性が曖昧な状況では回収不能とはみなされず、書面による債務免除も、回収可能性が残る状況のもとでは、贈与と認められ、貸倒れの機会を永久に失うかもしれません。

 

 

未収家賃はなかったものとみなす

アパート賃貸が事業的規模で行われている場合、未収家賃の全額を貸倒損失として不動産所得の必要経費に算入することができるのに対し、賃貸が事業的規模で行われていない場合は、貸倒損失として必要経費に算入することはできません。

 

代わりに、未収家賃が生じた年に、その家賃収入がなかったものとみなし、回収不能額のうち、次のいずれか少ない金額を不動産所得の金額から控除します。

 

①総所得金額、退職所得金額および山林所得金額の合計額

②不動産所得の金額から回収不能額に相当する家賃収入がなかったものとみなした場合に計算される不動産所得の金額を控除した残額

 

他にも控除額の計算では、分離課税の所得がある場合などで詳細な取扱いがあります。また、不動産所得の金額等の大きさにより、回収不能額の全部または一部を控除できないこともあるので注意しましょう。

 

なお、回収不能が明らかになった時点で、既に確定申告書を提出していたときは、その事実が生じた日の翌日から2月以内に、更正の請求をします。

 

 

 

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